スカウティングと観察・推理「夏キャンプ、夜の自然観察」

対象年代
展開場所屋外向け
所要時間60分
必要なもの
概要

スカウティングと観察・推理 ②
スカウトキャンプならではのチャンス。
夏のプログラムには夜の自然観察を。

ボーイスカウト運動の創始者ベーデン‐パウエルは、晩年を過ごしたケニアでの体験を著書『アフリカの鳥と動物たち』でおもしろおかしく書き残しています。その一節から……
「日が沈むとすぐ、明るい月あかりを浴びて、スター役者が登場した。サイ閣かっか下のお出ましだ。わたしたちは大喜びした。サイは、姿が見えないうちから、荒い鼻息で登場を予告していた。そして、ほどなく、市会議員のようなもったいぶったようすで、体を左右にふりながらやってきた。サイは、水場のどろ水をピチャピチャと音をたてて飲んだ」
このあとも、美しいオリックスや悪役のハイエナ、巨大なゾウの姿を観察します。イラストもたくさん描きました。
B-P は夜のジャングルならではのページェントに大きな感動を覚えたようです。日の光とともに暮らす私たちにとってもそれは同じ。夜の自然観察は新しい感覚と感動を目覚めさせます。
何泊かする夏のキャンプや舎営を、夜、自然と触れ合い、観察し、さまざまなことを考え、推理する絶好の機会にしませんか。

夏キャンプ、夜の自然観察

まずは、何を観察するか

夜空と天体

好天に恵まれれば、動きの少ない天体の観察からまず始めましょう。

  • 天の川、星座/「夏の大三角形」に注目しましょう。いずれも1等星の、こと座のベガ(織り姫星)、わし座のアルタイル(彦星)とはくちょう座のデネブが形づくります。雄大な天の川はどこを流れているでしょう。
  • 指北星/必ず北を指している北極星を見つけましょう。サバイバルスキルのひとつです(日本連盟刊『スカウトスキル・セレクション』p.50参照)。
  • /満ち欠けや、双眼鏡も使いクレーターの様子を見ましょう。月は方位判定の参考にもできます。
生物
  • /夜のホタルの観察が定番ですが、盛夏には難しいかも。秋が主流ですがマツムシ、クツワムシなど、鳴く虫の観察。灯に集まる昆虫はたやすく観察できます。
  • 夜行性動物/カエルの観察ができます。タヌキ、ムササビ、コウモリ、フクロウなどが夜行動しますが、巣の場所を知っているなど、しっかりしたガイドが必要です。

広い範囲を見渡す、地形の観察は昼のうちがよいでしょう。
▶ 必要に応じ、図鑑、星座盤などを用意しましょう。
▶ スカウティングの一環なので、能力に応じて必ず観察記録を書かせるようにしましょう。もちろん、指導者自身も活動経過を書いておきましょう。
▶ 海が近いキャンプ地ならば、夜の磯も観察できますが、安全に十分注意しましょう。

ここは、エキスパートに問い合わせよう
自然観察は知識と経験に加え、子どもたちの関心と感動をうまく引き出すガイドが必要です。一般の隊指導者ではなかなか難しそうです。そのようなガイドとイベントを捜してみましょう。
さまざまな団体が活動していますが、スカウト運動に理解があるという点から、右記のネットワーク団体を推薦します。どんどん問い合わせてみましょう。
公益社団法人
日本環境教育フォーラム(JEEF:ジーフ)

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● 安全に観察しましょう

自然観察はさておき、スカウトの指導者は、活動において安全のエキスパートでなければなりません。小さなものでも事故が起きれば、観察を中止したり、その後のキャンプ全体のプログラムを変更したりする必要があります。夜間の自然観察では、
▶ 必ず、観察コースを昼間のうちに下見をしておく。
▶ 天候や気温の変化、熱中症予防、虫刺されなどに留意する。
▶ スカウトに、静かに観察する、ライトを他人の顔に当てない、転ばない、落とし物をしない、などを徹底する。
▶ 翌日以降のキャンプ生活のために、スカウトのチームワーク、態度、体調などをよくみておく。などを心がけましょう。

 適切なガイドによる感動を伴うしっかりとした観察は、新しい推理の素になります。
なかでも、日が沈んだ後のプログラムでは、感覚が鋭くなり、雪原での観察や雨の日の観察などとならび、自然観察の魅力的なバリエーションになります。
ぜひ、この夏のキャンプの夜は、キャンプファイア、ゲームや恒例の「肝だめし」に加え、自然観察をスカウトたちに体験させてください。

スカウティング誌2019年7月号より

対象部門
  • カブ
  • ボーイ
  • ベンチャー
  • ローバー
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